2013年12月7日
by T.Yoshi
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ケネディ暗殺50年

 11月22日、ケネディ大統領暗殺の日。2013年の今年はちょうど50年目になる。
 やはりアメリカのメディアでは、この節目にあたりさまざまなコンテンツが出てきた。アメリカのメディアに取っては力の見せ所、アメリカ人でも世界の人も忘れられないあの時から半世紀、いくつかのコンテンツをご紹介しよう。

 まずはNational Geographicnのコンテンツ。これは同社の制作した再現テレビ映画 ‘Killing Kennedy‘ のオマケとして作られたインタラクティブコンテンツで、同世代人といえるケネディと暗殺者とされるオズワルドの2人の歴史を描き、「オマケ以上」のものに仕上がっている。

Killing Kennedy

National Geographic

 次は、JFK Library and Museum制作の、’Clouds Over Cuba’。ソ連と対峙したキューバ危機について、歴史的映像、文書、録音等を駆使しながら、インタラクティブに見せる。さすが公式資料館だけあって、潤沢な歴史的資料をそろえているが、それを「知って欲しい」という意気込みを感じる。さすがである。

Clouds Over Cuba

Clouds Over Cuba: JFK Library and Museum

この中に「What If?」というセクションがあって、ここは、「あの時にもし米ソ核戦争が起こっていたら」という設定で、ここは完全に俳優が演技しているフィクション。これがまた凝っていて、ドキリとする。ここまでいくとジャーナリズムの範疇ではないのだが、ひょっとしたら現実になっていたかもしれないこと、それをどう伝えようかと考えた意欲がすごい。

 お次はThe New York Times の、‘November 22, 1963

November 22

The New York Times

 ケネディ暗殺の瞬間を記録した8ミリフィルム、アマチュアカメラマンのザップルーダーが記録したフィルムの313番目のフレーム、その「映像の証拠」から暗殺の真実を探ることに取りつかれた男、Josiah “Tink” Thompson氏へのインタビューである。インタビューアーはこれまた記録された映像から真実を探ろうとするねちっこさてについては第一人者のErrol Morrisである。たいへん示唆に富むインタビューとなっている。

 さて、ではお膝元のダラス。地元紙の’Thd Dallas Morning News’ も何もしない訳にはいかない。
 JFK50という特集を組んでいる。まじめに作っているのだが、「見せ方」としてはトラディショナルで、インパクトに欠ける。

JFK 50

JFK50: The Dallas Morning News

2013年11月18日
by T.Yoshi
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このプレゼンテーションのうまさ NYTの南シナ海ドキュメント

 尖閣諸島だけdなく、南シナ海にある南沙諸島(Spratlys Islands)も、中国、フィリピン、台湾、ベトナムが領有権を主張するエリアである。
 その中に、シエラマドレ号という朽ちた船が一隻、座礁されたまま置き去りに去れている。錆だらけ穴だらけのスクラップ同然の船だが、そこにはフィリピン人の警備隊が「駐留」していて、周りで威嚇する中国船とにらみ合いを続けているのだ。
 その様子をニューヨークタイムズがルポしているのだが、その見せ方が斬新なのだ。

Playing Shark and Minnows by the New York Times

 長大な縦スクロールなのだが、長い記事を飽きさせずに読ませるための工夫がさまざまにほどこされている。
 動画(といっても、ちょっと動いているだけなのだけれど)、静止画、地図、テキストを駆使し、次は何が出るのだろう、とついつい最後までスクロールしてしまう仕掛けだ。

 タイトルにある”Shark and Minnow”は「サメと小魚」の意味で、プールで子どもが遊ぶ鬼ごっこのようなゲームのことらしい。まさに、巨大な中国に取ってみれば、このボロ難破船で監視を続けるフィリピン人たちは小魚みたいなものかもしれない。ときには海に潜って魚を採り、銛がなくなれば自分たちで鍛冶屋までやり、まさに自給自足の生活を続けながらの耐久生活をしているのだが、こんなところが世界の地政学の最前線なのだ。
 南沙諸島には、ほとんど人が住めるような場所はないらしい。ここを実効支配するために難破船を置いたり、環礁の上に建築物を築いたりしている。
 こういうところに実際に行って、それをドキュメントするというのはジャーナリズムのなすべきことだろう。
 最近、日本のメディアでこういうコンテンツを見た覚えがない。調査報道はあるのだろうけど、ウェブに載ってないので存在感がない。

 今回のニュータイムズのこのプロジェクト、これは編集の妙であり、プレゼンテーションの勝利である。
 ひとつひとつのイメージや動画にさしたる圧倒的な力があるわけではない。それがさまざまな要素を統合し、一つのものとして昇華されたとき、強い存在感を示し、人の心を引きつける。まさにマルチメディアジャーナリズムなのである。

2013年11月17日
by T.Yoshi
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北海道の、こんなに美しいスキーシーン

 これはすごいスキービデオだ。いや、スキービデオという範疇を超え、訪れた国のドキュメントにしても完成度が高いのである。
 舞台は東京から北海道のニセコへ展開する。導入となる東京も、ニセコへの場面展開も効果的。こんなに美しく、北海道のスキーシーンを紹介する映像を寡聞にして知らない。

 アウトドアスキーヤー、スノーボーダー、冒険家といった人たちは、写真や映像のセンスが優れた人が多い。やはりロマンチストだからだろうか。そんな彼らの映像は好きなのだが、やはりプロとしてのスキーのすごさとか、Extreme Sportsとしてのスキー、スノーボードを紹介する、見ていて「よくこんなことできるなぁ〜」という「圧倒され感」がすごいのだけれど、今回のは、それに加えてとても詩的であり、ストーリーがある。静かな音楽のチョイスもよく、サウンドデザインも一級だ。

 作者は、Jordan Manley.ヴァンクーバーとウィスラーをベースにするプロカメラマン。
 このビデオは彼のSkiers Journeyシリーズの一つで、日本の他にも、ドバイ、アイスランド等のシリーズもあって、これらもまた同じくらいにすばらしいドキュメントである。